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2016/08/10

特別受益の範囲

 特別受益としての持戻しの対象となる財産は、「遺贈」または「婚姻、養子縁組のための贈与」もしくは「生計の資本としての贈与」とされています。具体的には次のとおりです。 

・遺贈

  遺贈は、その目的にかかわりなく全て特別受益となります。 

・生前贈与

  婚姻又は養子縁組のための贈与

   持参金・支度金は一般的に特別受益とされますが、少額の場合で扶養の一部と認められる場合は特別受益とはいえない場合もあります。

   ※結納金・挙式費用は一般的には特別受益になりません。

・学費

高校の学費程度は特別受益とはいえないが、子の一人だけが大学に行った場合等は、特別受益にあたるといえます。ただ教育費が特別受益にあたるかどうかは、被相続人の生前の資産収入及  び家庭事情等具体的状況により異なる判断がされます。

・生計の資本となる贈与

  居住用の不動産の贈与またはその取得のための金銭の贈与、営業資金の贈与等、生計の基礎として役立つ財産の給付は特別受益になります。

・扶養義務に基づく援助

  新築祝い、入学祝い等の親として援助な範囲内でされた贈与は特別受益になりません。身体障害がある子に対する援助は特別受益ではありません。

・親の所有家屋に住んでいた利益

  裁判官は特別受益に当たらないと考えることが多いと思われます。