2016/08/16
財産の承継とは、現経営者の個人財産の承継のことであり、現経営者が有する財産を、どのように相続人が分けるか、相続税の納税資金をどうするかを検討しなければなりません。経営者の財産については、後継者には自社株式、事業用不動産を、他の相続人には、事業用以外の財産を承継させるのが理想ですが、中小企業の経営者の財産のほとんどが事業用財産というケースでは財産の承継が難しくなり争いが生じる可能性がでてきます。
後継者でない相続人からすると、会社に必要な事業用財産も相続財産の一つとしてしかとらえないことが多く、これにより後継者との争続となってしまいます。何も対策をとらなければ、現経営者の相続が発生した場合、自社株式や事業用株式が親族内で分散していまい、後継者ではない相続人から事業用財産の買い取りを要求されることも想定されますし、株主総会の決議にも影響されるリスクがあります。
このようなリスクを回避するために、自社株式や事業用不動産は、現経営者の影響力があるうちに(生前に)後継者や会社に集約することが、事業承継対策に不可欠です。現経営者が元気なうちに、財産分与を見据えた構成の見直しを実施することができれば、後々の相続争いのリスクを大きく軽減することにつながります。
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