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2016/12/12

株主総会議事録に株主リストの添付が必要となります

 商業登記規則の改正により、商業登記の申請時に株主総会議事録とあわせて株主リストの添付が義務づけられることとなります。株主総会議事録を添付しなければならない商業登記申請は極めて多く、規則の改正により司法書士実務に与える影響は決して小さくありません。

 

改正の趣旨

 株主総会議事録などを偽造して虚偽の役員の変更登記を行い役員になりすますなどの犯罪や違法行為が後を絶ちませんでした。そこで,不実の株主総会議事録などが作成されて虚偽の登記がされることを防止するため,株主リストの添付が要求されることになりました。平成27年の本人確認証明書とは真実性の確保を図る対象が異なりますが,厳格化するという意味では同じです。
 この株主リストの作成者は代表者であり,代表者が株主リストに登記所届出印で押印します。ただ, 虚偽の登記がされていたということは,登記所届出印を勝手に押される,盗まれるなどという事態が生じていたと考えられます(商業登記の申請では,原則として代表者が申請書または委任状に登記所届出印で押印します)。よって,株主リストも虚偽のものが作成される可能性が考えられます。しかし,「株主リストを添付させておけば,事後的に株主名簿などと確認ができる」といった理由から,意義があると考えられています(法務省が考えています)。

 

条文(商業登記規則61条)

2 登記すべき事項につき次の各号に掲げる者全員の同意を要する場合には,申請書に,当該各号に定める事項を証する書面を添付しなければならない。
一 株主 
株主全員の氏名又は名称及び住所並びに各株主が有する株式の数(種類株式発行会社にあつては,株式の種類及び種類ごとの数を含む。次項において同じ。)及び議決権の数
二 種類株主 
当該種類株主全員の氏名又は名称及び住所並びに当該種類株主のそれぞれが有する当該種類の株式の数及び当該種類の株式に係る議決権の数
3 登記すべき事項につき株主総会又は種類株主総会の決議を要する場合には,申請書に,総株主(種類株主総会の決議を要する場合にあっては,その種類の株式の総株主)の議決権(当該決   議(会社法第319条第1項(同法第325条において準用する場合を含む。)の規定により当該決議があつたものとみなされる場合を含む。)において行使することができるものに限る。以下この項において同じ。)の数に対するその有する議決権の数の割合が高いことにおいて上位となる株主であつて,次に掲げる人数のうちいずれか少ない人数の株主の氏名又は名称及び住所,当該株主のそれぞれが有する株式の数(種類株主総会の決議を要する場合にあっては,その種類の株式の数)及び議決権の数並びに当該株主のそれぞれが有する議決権に係る当該割合を証する書面を添付しなければならない。
一 10名
二 その有する議決権の数の割合を当該割合の多い順に順次加算し,その加算した割合が3分の2に達するまでの人数
 
 
改正日・施行日
 
平成28年4月20日改正
平成28年10月1日施行