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2018/01/07

収益不動産オーナー様向け 相続での共有トラブル回避のための信託活用術②

 収益不動産の経営ということを考えた場合、関心があるのは賃料収入だけで不動産の管理事務等には興味がないというオーナー様がほとんどではないでしょうか。管理会社に任せることは可能ですが、不動産名義が共有の場合、前回ご説明した通り、様々な局面で共有者全員が意思決定に関わる必要が生じます。

 そこでご提案したいのが、民事信託(家族信託)を活用した共有不動産対策です。相続発生前はもちろん、相続発生後すでに共有状態が発生している場合でも、信託を活用すれば不動産共有にともなうリスクを回避することができます。不動産名義という形式的な所有権と、賃料収入をもらうという受益権に分けて、以下のような信託契約を締結すればよいのです。

・現在の収益不動産所有者(相続発生後であれば共有持分権者)を委託者とする

・(推定)相続人のひとり、あるいは、不動産の経営に詳しい親族など身近な方を受託者とする

・相続発生前は委託者(不動産所有者)、相続発生後は相続人全員を受益者とする

 

 上記のような信託契約を締結した場合、日々の管理業務や契約事務は受託者のみで行うことができるようになり、共有の場合のように意思決定が停滞することがありません。そして、不動産の経営に関わらない相続人(受益者)も賃料収入を享受することができます。何年後かに売却して現金化するなどの将来の運営方針も事前に信託契約の内容として定めておくことが可能です。